MWC2025 JAPAN Pavilion出展について

はじめに

こんにちは。昨年12月からBBSakuraのBeyond 5G推進室で従事している栢森と申します。 この記事では、当社として初めてMWC2025における総務省主催のJAPAN Pavilionに出展し、その出展に向けてやってきたこと、感じたことをお話しさせていただきます。他ブースの展示視察の内容・感想についてはまたの機会とさせていただき、今回はエンジニアBlogという感じの技術要素があるわけではないですが、ご容赦ください。

MWC JAPAN Pavilionとは?

MWC(Mobile World Congress)とは、毎年スペイン・バルセロナで開催される世界最大級のモバイル関連展示会で、世界中のモバイル通信事業者や端末メーカー、コンテンツ事業者などが出展し10万人以上の来場者が見込まれている一大イベントです。今回のMWC2025でも11万人以上の来場者が来たと言われています。 Japan Pavilionとは、当該イベントにおいて日本のICT関連製品及びサービスに係る企業のブースを設けることで、日本企業の取組を世界に広く情報発信し、その海外展開を支援する総務省による取り組みになります。 出展選定は「通信インフラに係るハードウェアやデバイスからソフトウェアやアプリケーションまでを含む、5G及びBeyond 5G、OpenRAN、AI、没入型テクノロジー等、MWCのテーマに添ったICT技術の国際展開を視野に入れた日本企業等」を対象とされ、昨年7月から募集が始まり、BBSakura Networksは親会社であるBBIXと共に提供しているクラウド型ネットワークサービス「Open Connectivity eXchange」(以下「OCX」)の展示を題材に、総務省の審査と選考を経てブース出展の獲得に至りました。

MWC2025展示会場内におけるJAPAN Pavilionを入り口正面から撮った画像。右側にBBSakura Networksのブースと、赤いハッピを来たBBSakura Networks社員がブース来場者を迎えている姿を映し出しています。
MWC JAPAN Pavilionの写真

出展の目的と成果

出展の目的は、もちろん弊社サービスであるOCXの世界に向けたアピールというのもありますが、出展(準備、展示、プレゼン、協議、他展示視察など)を通した若手社員の成長機会提供の度合いが強かったと感じています。 JAPAN Pavilionへの参加はBBSakuraとしてはもちろん初。親会社のBBIXとしても出展経験はなく、私自身もそもそもMWC自体への参加も初めてだったのですが、昨年11月に出展に向けたリード役の任を授かった当初はまずはチーム編成から開始してプロジェクト的に体制確立を実施。その後は総務省事務局から次々に依頼される、出展に向けた提出物をチーム皆んなで手分けして作成して提出していきました。 BBSakuraのチームメンバーは、担当業務ではない、やったことない、知らない、という言い訳は一切なしで、基本は一つ一つのアクションに挙手または稼働バランス見ながらでの指名制で、手探りながらも周囲の担当者や上長に聞きながら短納期にも迅速に柔軟に対応していきました。基本は自分が担当した部分はやり切る、というところを意識してくれていたように思います。 また、国際展示であるため、もちろん現地ではブース来訪者に英語でのプレゼン・説明を実施。来訪者はJAPAN Pavilionという企画展示に惹かれてくる人も多く、必ずしも当社が展示しているサービスそのものに興味・関心がある人はむしろ少なかったですが、日本にはBBSakuraという会社があり、そういうサービスを海外でも展開しようとしているんだ、ということを知ってもらう機会にはなり、何よりも若手にとっては展示ブースで自分たちで調べて準備してきた資料を英語で説明する、という経験が自信につながったように思えます。 まぁそれにしても、立ちっぱなしのブース出展・運営と、巨大な展示会での他展示視察の両立はめちゃくちゃしんどく、なんか体力もついたように感じます。

おわりに

出展企業は当社のような初出展企業もいれば、出展経験豊富な企業様もおり、経験と改善を重ねるごとに良い出展ができ、良い成果が得られるように感じました。また、同様の機会を今後の若手メンバーにも提供することで、経験値向上とモチベーションアップにもつながるのではないかと思います。MWCへの継続的な視察はもちろん、今後もチャンスがあれば、JAPAN Pavilion出展にも是非参加していくのが良いと感じました。

プログラミング未経験からのフロントエンド開発

はじめに

 こんにちは、FY24 新卒エンジニアの脇坂です。 私は高専のロボット専攻出身で、主に材料や力学を学んでいたためプログラミングはほぼ未経験でした。 ひょんなことから SB にエンジニアとして就職し、気がつけば BBsakura でフロントエンドの開発をすることになっていました。 この記事ではそんな私が開発に向けてやったことや感じたことをお話ししようと思います。

ウェブアプリ研修

 冒頭でも述べた通り全くもってプログラムを触ってこなかったので、「大丈夫かな?」と不安だった私に最初に課されたのはエンジニア向け研修でした。 開発の基本である GitHub を使ってみよう、という初歩的なものから、簡単な Web アプリを開発する少し高度なものまで、段階的な研修が用意されていました。

 最初の壁は知らない単語だらけということでした。 "GitHub"、"Docker"、"buf"……。「なんか魔法の呪文みたいだな」と思いながらドキュメントを開いてみるも、そこに待っていたのは英語の壁。"エンジニアなら英語は避けて通れない" と言われますが、避けるどころか最初の一歩から躓きました。「英語ができることがプラスなんじゃなくて、できないことがマイナスなんだな……」と、学生時代にもっと英語を勉強しておけばよかったと後悔しつつ、翻訳ツールに頼りながら研修を進めました。とはいえ、検索すれば何とかなる!と思っていたのですが、いざ検索すると知らない単語が連鎖的に出てきて、「調べてもわからないことを調べるためにまた調べる」という無限ループに突入。気づけば Chrome のタブが何十個と開いている状態になり、「私は一体何を調べていたんだ……?」と宇宙猫になったのも良い思い出です。

フロントエンド

HTMLとCSS

 ウェブアプリ研修をなんとか終え、会社としての研修が終わっていよいよ配属先での業務が始まりました。 フロントエンドのフの字も知らない私は勉強からする必要があるため、まずはフロントエンドについて自己学習をし簡単な Web ページを作ることを目標にやってみようと言われました。 まずは HTML と CSS から始め、基本的なレイアウトの作り方やスタイリングの方法を学習しました。Udemy の講座やネットの記事を参考にしながら、簡単なページを作ることで少しずつ理解を深めました。初めは「難しそう...」と構えて勉強を始めたのですが、自分が書いたコードがページとして目に見えるのでとっつきやすくゲーム感覚で楽しく進めることができました。 と、思ったのも束の間、CSS のレイアウトで悪戦苦闘。「margin と padding の違いは?」「flexbox?grid?」「なぜか要素が動かない!!」1 つ修正すると別の場所が崩れる、いわゆる「CSS 沼」にどっぷりハマりました。

JavaScript

 その後JavaScript の基本を学びつつ、次に出会ったのが「DOM(Document Object Model)」。「HTML は静的なもの」と思っていた私にとって、「JavaScript で HTML を書き換えられる!」という事実は衝撃で面白いなと感じました。 しかし、JavaScript が入ってくることでだんだんコードが複雑になっていき難しくなっていく感覚があり、初めは楽しんで進められていた勉強が少し苦になったタイミングがこの辺りでした。

 勉強がかなり億劫になっていたのでリフレッシュも兼ねて学んだことを使って todo リストを作ってみることにしました。 まずは「タスクの追加・編集・削除ができるシンプルなもの」を目標にし、HTML と JavaScript で試行錯誤しながら作成しました。 途中で「データの保持はどうしたらいいんだろう」と思いつき、調べながら実装しました。勉強ではとりあえずコードを書くだったけど、実際に自分で機能を考えてやってみることで どうすればより便利になるかを考えられるようになってきたかもと自分の成長を感じました。 こうして学んだことを形にすると、今までバラバラだった知識がつながっていく感覚があり、インプットだけではなくアウトプットも大事だと改めて思いました。

 ある程度勉強ができた段階で実際に業務に入ってみようということになり、簡単なテキスト修正などの issue をやることになりました。 初めは実際に使われているリポジトリを眺めてみてどんなファイル構造になっているのかなどをみてみたのですが、勉強で作ってみたtodoリストとは比べもの位ならない量のファイル、コード量に圧倒されました。 少し不安になったのですが、先輩もファイル全てを理解できてるわけではないとおっしゃっていて少し安心しました(笑)

おわりに

 現在は issue や簡単な実装を中心に少しずつフロントエンドエンジニアとしての力をつけようと頑張っている段階で少しずつ開発に参加することも増えてきました。 しかし、まだまだ 1 人前のエンジニアには遠くおよびません。 UI チームの先輩にたくさんアドバイスをもらい絶賛成長中で、色々な課題を乗り越えて少しでも早く追いつけるように頑張りたいと思っています!!

新卒JANOG体験記

初めまして、BBSakura Networksの牧野です。1月に京都で開催されたJANOG55に参加してきました。この記事では、新卒1年目で初めてのJANOG参加して感じたことを中心に、簡単にですが綴らせていただこうと思います。

所感

今回、JANOGに初参加して一番印象に残ったのは、参加者同士のつながりの強さです。 ネットワーク関連の方々の集まるイベントなので顔見知りが多いのは当然なのかもしれませんが、とにかく、さまざまなところで意見交換をしたり、最近の技術などについて議論している場面が多くあり、とても驚きました。また私は懇親会にも参加させていただいたのですが、そこでも参加者の方々は熱く議論をされていたりしており、ネットワークに対する熱気や情熱、JANOGというものの歴史を感じることができたような気がしました。自分も数年後にはこの雰囲気に馴染み、議論できるようになりたいと思いました。

参加イベント

プログラム参加

www.janog.gr.jp

 JANOGでは、登壇者が大勢の聴衆に向かって特定のテーマを元に語りかけ、聴衆の質問を受けながら議論を深めていくミーティング形式のプログラムが複数開催されており、その中でも私は仮想基盤についてやRPKIのプログラムを中心に参加してきました。
ある仮想基盤のプログラムの話の中での、ルーターを2段構成で設計することで、設定や管理がシンプルになり、障害や変更の範囲を局所化することで、運用性を重視し柔軟なリソースの分割ができる。という話があったのですが、それが自分にとってそんな構築ができるのかと一番印象的でした。もちろん自分の知識が少なく、知らなかっただけということもあると思いますが、もっともっと詳しくなりたい、勉強したいなと感じた瞬間でした。
また、ROV導入を広げるためのBoFでは、RPKIのことは技術的な面においては多少知っていると思っていたのですが、実際その技術をどのように普及させるのか、までを考えたことがなかったなということに気付かされました。当たり前のことなのですが、世の中を良くする技術が進歩、確立されても、その技術が普及しないと意味がありません。そのようなネットワークの技術を共有したり、普及させる方法をみんなで考え、よりよい未来にしていくためのイベントこそがJANOGなんだなと、このBoFを聴いて気づくことができました。

NETCON

www.janog.gr.jp

NETCONは、実際にトラブルが起きているネットワーク環境を提供していただき、トラブルシューティングを問題形式で解くコンテストです。JANOG参加者は誰でも参加できるというものだったので参加してみたのですが、正直自分のネットワークの知識で大丈夫なのかとても不安でした。ですが、ハンズオンに参加しとところ、チュートリアルから解くことが出来たのでほっとしました。さまざまな難易度の問題があり、実際に手を動かしてトラブルシューティングをするのは思った以上に楽しく、時間があればもっと解きたかったです!

NOCツアー

bakuchiku.freshdesk.com

三日目のお昼にはNOCツアーにも参加させていただきました。NOCツアーはJANOGのネットワークがどのように動いているか見学できるツアーでした。JANOGのNOCメンバーの方々は各分野ごとに、イベント開始までに構築して三日間運用し、終了後に壊すまでの一連の流れを自分たちで全て行なっており、特に学生のスタッフも多く驚きました。自分たちで一から構築し、壊すという経験はなかなか出来なさそうだしおもしろそうだなと思いました。実際のイベント会場ではどのようにネットワークが動いてるかの裏側が見ることができてとてもいい経験になりました。

おわりに

今回初めてJANOGに参加させていただき、たくさんの刺激を得ることが出来ました。それと同時に自分の知識の少なさ、エンジニアとしての未熟さを再確認しました。はやく自分も先輩方に追いつき、ネットワークの技術を共有、普及に貢献できるようになれるように頑張りたいと思います!

初めてのJANOG体験記

初めまして、BBSakura Networksの儀同です。1/22~1/24に京都で開催されたJANOG55に参加してきました。新卒1年目で今回が初めてのJANOG参加となります。この記事では、私が今回参加して感じたことを中心に綴らせていただこうと思います。

所感

今回JANOGに参加して感じたことがいくつかあります。

1つ目は、参加者の距離が近い!ということです。ネットワーク関連の多種多様な立場の方が参加しているにも関わらず、活発に意見を交換したりする場面が多くあり、立場は違うけど一緒に盛り上げていこうという雰囲気が多くの場面から伝わってきました。ネットワーク業界ならではの空気感に早く馴染めるようになりたいと思います。

2つ目は、自動化の話が多かったということです。生成AIの発展や人材不足を背景に、今後ネットワーク業界全体でも自動化の動きが活発になりそうだなと感じました。

プログラム

JANOGでは多くのプログラムが開催されていました。アーカイブ配信を視聴可能なプログラムがあるのも嬉しいですね!

www.janog.gr.jp

その中でも私は自動化の話やネットワーク設計のプログラムを中心に参加してきました。自動化の話では、作業の手順書をパラメータと雛形の部分に分けてそれらを組み合わせて作成するものや、保守運用を生成AIを用いて行うものなど様々でした。

また、講演以外にも様々なイベントが開催されており、その中で私は若者ランチ企画に参加しました。

www.janog.gr.jp

企画内で新卒で自分と同じような境遇の方と話す機会があり、ベンダーごとにコマンド違くて覚えるの大変だよねーみたいな話で共感し合えたのがなんとなく嬉しかったのと同時に、もっと勉強しなくては、、、と思いました。

そのほか、NETCON企画にも参加しました。

www.janog.gr.jp

あまり手をつけられなかったのが残念ですが、今後の業務でも、実際に手を動かすことを大切にしていきたいと思います!

終わりに

今回参加させていただいて、ネットワーク業界は会社とか立場は違うけど一緒にやってこうという空気感のある業界であること、また業界全体のトレンドとして自動化の話が盛り上がっているということを肌で感じることができました。

現在は様々な分野で生成AIの活用が注目を集めていますが、ネットワーク業界も例外ではないと感じました。ネットワーク業界でAI技術を活用できるようになるためにも、まずはネットワークの知識、技術を身につけるために精進したいと思います。その上で、ネットワーク業界ならではの人の繋がりなどの良さを大切にしながら、今後のネットワーク業界を盛り上げられる人材になれるよう、頑張りたいと思います!

BBSakuraの今と今後

こんにちは。BBSakura Networks社長の佐々木です。

本日はBBSakura Networksの今と今後について書かせていただきます。

この記事は BBSakura Networks Advent Calendar 2024 - Adventar 最終日として書いております。

今年の6月からBBSakuraの親会社であるBBIXの社長も兼任させていただくことになりまして、BBSakuraで開発をしているNaaSサービスである、OCXの展開をさらに加速していく所存です。

さて、本日はBBSakura設立から5年目となる今年、会社設立時の想定と今、そして今後を比較してみたいと思います。

BBSakura Networksの理由と目的

全ての「モノ」がつながる社会を支えるテクノロジーカンパニーを目指して設立した当社ですが、2019年に設立して今年で5年目になりました。

元々、コンピューターの汎用化が進む中で、通信に関わるコンポーネントについても、よりソフトウェアによる実装が進むと考え、この部分の開発能力を持ったエンジニアを抱えたさくらインターネットさんと会社を設立させていただいた形です。

以下はBBSakura 設立時の発表会で使った資料ですが、通信インフラ主体のBBIXと、クラウドコンピューター主体のさくらインターネットそれぞれの出身母体の強みを活かし、「国産のソフトウェア」を実装しながら世界へ展開かけていくことを考えておりました。

BBIXとさくらインターネットの強みを融合し国産のソフトウェアを生産

会社設立の経緯などは過去の記事でも書いておりますのでご参照ください。 blog.bbsakura.net

5年間の振り返り

過去5年間を振り返ると最初の3年はコロナ禍もあり、採用とチームの拡大に大変苦労しておりました。

当初は即戦力を求めて中途採用を狙ってましたが、なかなか採用が進まず、この2年ほどはソフトバンク採用の新卒をソフトウェアエンジニアとして育てていく方向に舵を切っておりまして、開発のエンジニアも急激に増えてきました。

対外トピック 社内トピック 開発社員数
2019 会社設立 さくらとBBIX混合チーム発足 約10人
2020 さくらのSMS開始 コロナ禍に入りフルリモートの働き方が本領発揮 約15人
2021 N/A OCXに関わる開発に没頭 約15人
2022 OCXリリース OCXの開発体制を拡充 約20人
2023 「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」に採択 新卒採用→開発エンジニア育成を開始 約25人
2024 OCXの拠点が40拠点へ・海外展開のパートナーとも合意 開発チーム拡大方法を模索 約40人

人数が増えてくるとできることも増えてきまして、リリースできるサービスが増えてきた反面、チームをスケールさせるところに力を割かねばならないと感じており、 大きくなりつつある会社のオンボーディングを整える - BBSakura Networks Blog みたいな動きもしてもらってます。

サービス面では、昨年「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」に採択いただけたことは、我々としても大変勇気付けられましたし、今年、初のOCXの海外進出に合意ができたことも、世界に向けてMade in Japanのプラットフォームを広げていくという我々の野望の第一歩にできるかと思っております。

今後のBBSakuraについて

OCXはおかげさまで順調に拡大を続けており、さらなる機能拡充・展開に向けてより開発体制の拡充をかけたいと考えております。

OCXでは、従来のネットワークの概念を大きく変え、より柔軟で拡張性の高いネットワーク環境を実現したいと思ってます。BBSakuraでは、このOCXを基盤に、IoTデバイスから大規模データセンターまで、あらゆるものをシームレスに接続するプラットフォームへ進化させていきたいと考えており、お客様は、より低コストで、高品質なネットワークサービスを利用できるようになります。

日本で開発したサービスを世界に広げながら、新しい価値提供を広げていきたいと思っており、OCXを技術にとどまらず、新しい世界観を創造していけるようなプラットフォームにしていきたいです。

アドベントカレンダー2024、盛り上がってますか?

はじめに

この記事は BBSakura Networks アドベントカレンダー 2024 の 18 日目の記事です。

adventar.org

こんにちは。開発本部 モバイル開発グループの みずき @n0mzk です。

モバイルコアの開発・運用がメインの業務ですが、人事や技術広報もやっています。

11 日目には人事として行っている取り組みについての記事を書きました。

blog.bbsakura.net

今日は技術広報の話を書きます。

技術広報チームは社内有志のエンジニアが集まってこのブログの運営・登壇支援・社外イベントへのスポンサー検討などを行っています。

アドベントカレンダーも、Adventar にカレンダーを作って、参加者を募って、レビューして、記事を公開して、SNS で宣伝して、というのをやっています。

ブログ運営については去年のアドベントカレンダーの記事で書いたので、具体的な運用方法・工夫していることはこちらの記事を参照ください。

去年のアドベントカレンダー以降どうやって会社技術ブログの更新を続けているか - BBSakura Networks Blog

アドベントカレンダー 2024、盛り上がってますか?

ここ 3 年ほどアドベントカレンダーの運用をやってきて、今年はあまり盛り上がっていないように感じています。ブログへのアクセス数も去年に比べだいぶ少ないです(具体的な数字は控えます)。

盛り上がらなさには社内の要因と SNS の要因があると思っていて、今回は SNS の要因について考えます。

社内の要因

社内の要因についても軽く書きます。

会社として年を重ねるごとに、ありがたいことにやるべき業務は増えていて、みんなそれぞれ忙しくなってきています。余裕があればブログ書いてみようかなと思えても、業務に追われているとなかなか参加しようと踏み切れないだろうと思います。今年のアドベントカレンダーは去年に比べてだいぶ参加者の集まりが悪く、埋まらなかった日を遅刻しながらでも埋めようと協力してもらっています(この記事も遅刻しながら後から書いています……)!

また、12/11 の記事に書いたとおり、会社が大きくなるにつれ「越境しづらくなっている」のも要因のひとつだと思っています。

SNS の要因

X の仕様・規約変更で Twitter だったころのような雰囲気ではなくなったことはみなさん感じていると思います。

新しい SNS もたくさん登場し、X から他の SNS に移る人が増えています。私も長年 "住んで" いた Twitter ( X ) の殺伐とした雰囲気にうんざりし、平和を求めてメインで使う SNS は Bluesky に移行しました。

公式アカウントでブログの更新などを発信したときにいちばん反応をもらえる SNS は今でも X です。でも X からの流入は明らかに減っていて(Google アナリティクスで見ると、t.co からの流入は昨年同時期と比べて -82.26 % でした!)、X での発信で読者を獲得するのは難しくなっているのではないかと感じています。

BBSakura では SNS 開始当初は X ( @bbsakuranet )Facebook ( @bbsakuranet ) を運用していましたが、2023 年 12 月からは Bluesky ( @bbsakura.net ) も始め、今年の 12 月からは流行りに乗って mixi2 ( @bbsakuranet ) にも公式アカウントを作ってみました。

Bluesky は、まだまだ X より反応の数は少ないものの、いいね・リツイートしてくれる方、フォローしてくれる方は、記事をしっかり読んでくれていそうという印象を受けています。

mixi2 は、ユーザと交流するわけではない企業アカウントが一方的な発信に使うことが適切な場なのか、つかみきれていません。公式アカウントの投稿を個人アカウントでリポストするのが嫌われる行為なのかそうでないのかなどの感触をつかもうとしているところです。

去年までは私個人の X アカウントでも毎日公式アカウントの投稿をリポストしたりして盛り上げようとしていたのですが、X から足が遠のき、それもしなくなってしまいました。より個人的な使いかたをしている Bluesky では X でやっていたのと同じような盛り上げをしていないことも、"アドベントカレンダー盛り上がってなさ" を感じる要因になっているとは思っています。

SNS 広報、どうしていますか?

X にみんな集まっているという状況ではなくなりつつある今、企業の広報のみなさん、SNS での広報どうしていますか?

やっぱりまだ X が強いのかも。でも他の SNS でファンを獲得できている企業もたくさんあるとも思う。

各 SNS での引用ポストなどで、最近の SNS 運用どうしているのか、苦労話や悩み・工夫・考えていることなど教えていただけたら嬉しいです。

Proxmox VE + CML2.8(無償版)でお手軽ラボ環境を作ってみた

この記事は、BBSakura Networks アドベントカレンダー 19日目の記事となります。

こんにちは、BBSakura Networksにてモバイルコアの開発・運用をしている清水です。

先月、Ciscoから、CML2の無料版のリリースが発表されました。

developer.cisco.com

同時に起動できるのは5ノードまで、などの制限はいくつかあるものの、CCNAの勉強や簡単な検証に使用する分には十分そうです。 そこで本記事では、 Proxmox + CML2.8 Free TierをミニPC上に構築するための方法について説明します(n番煎じではございますが...)。

構築に使用したPCについて

構築に使用したミニPCの外観。13cm四方程度の大きさで非常にコンパクト。
写真. 構築に使用したミニPC

しばらく前にAmazonのセールで購入したPCです。45,000円くらいで買いました。*1 スペックは下表の通りです。

要素 スペック
CPU AMD Ryzen 7 5700U
メモリ 32GB
ストレージ M.2 SSD 1TB
ネットワーク 2.5GbE LAN, Wifi 6E

このPCにオープンソースの仮想化環境プラットフォームであるProxmox VEを導入し、その仮想環境上でCML2を動かします。 Proxmoxを使用せず、直接CML2をインストールすることも可能ですが、ミニPCを別の用途でも同時に利用したかったため、今回は仮想環境での構築を行っています。

Proxmox VEの導入

www.proxmox.com

公式ページの手順に従い、Proxmox VEを導入していきます。

ISOイメージの入手

公式ページからISOイメージをダウンロードします。今回はProxmox VE 8.3 ISO Installer をダウンロードしました。

Proxmox公式ページにある、ISOイメージのダウンロードページ

USBからイメージを起動する

ダウンロードしたISOイメージをUSBに書き込みます。書き込みにはRaspberry Pi ImagerやRufusなどをを使います。今回はRaspberry Pi Imagerを使用して書き込みました。 Raspberry Pi ImagerでISOイメージをUSBに書き込むときの画面

書き込みが終了したら、ミニPCにUSBメモリを挿して、Proxmoxのインストーラーを起動します。

USBブートで起動したProxmoxインストーラーのトップ画面

インストール

インストーラーの指示に従い、タイムゾーンや管理者アカウントの設定、ネットワーク設定を進めていきます。

地域とタイムゾーンの設定 管理アカウントのパスワード・メールアドレスの設定 ネットワークの設定

インストーラーを進めていき、最終的にこのような表示になったらインストール完了です

インストールが完了し、再起動した後に表示されるCLIのログイン画面

管理画面へのログイン

ミニPC以外のPCからProxmoxの管理ページへログインします。 http://<インストーラーで設定したIP>:8006/にアクセスし、IDとパスワードを入力しログインします Proxmox VEのログイン画面

ログインに成功し、下図のようなダッシュボードが表示されればOKです

Proxmoxのダッシュボード

CML2 Free Tierのインストール

事前準備

https://software.cisco.com/download/home

上記のリンクから、CML2のインストールに必要なISOイメージを入手します(Ciscoのアカウントが必要です

CML2のダウンロードページ

2.8.0 Free Tier からcml2_2.8.0-6_amd64-32-iso.zip と、refplat-20241016-supplemental-iso.zipをダウンロードします(赤枠で囲ってあるもの)。

Proxmox からCML2用のVMを作成

事前準備でダウンロードしたISOイメージをProxmoxにアップロードします

Proxmoxの管理画面から、ノード名local(ノード名)ISOイメージ と遷移していき、アップロードをクリックし、2つのイメージをアップロードします

Proxmox ISOイメージの登録

ISOイメージのアップロード画面

VMを作成します。全般〜ネットワークまで順番に設定していきます。 以下、重要な設定のみ抜粋

  • OS
    • ISOイメージとしてcml2_2.8.0-6_amd64-32.isoを指定(もう一方のイメージは後で使用します)

VMの作成(OSイメージの指定)

  • システム
    • BIOS: OVMF (UEFI)

VMの作成(システム設定)

  • CPU
    • 種別(Type)を規定値のx86-64-v2-AESからhostに変更します。
    • 規定値のままだとCML2のインストーラーが失敗します(参考

VMの作成(CPUの設定)

CML2 インストール

管理画面からコンソールをクリックし、インストーラーの指示に従い設定を進めていきます

CML2インストーラーの起動時の画面

CML2のシステム設定の画面

最後に、以下の画面がコンソールで表示されればインストール作業は完了です

CML2のインストール完了後に表示されるCLIの画面

ノード用イメージの登録

作成したVMを一旦停止し、ProxmoxのVMの設定画面からのハードウェアCD/DVDドライブ(ide2)をクリックした後、編集をクリックし、ISOイメージをrefplat-20241016-freetier.isoに変更します

ProxmoxのVMのハードウェア設定の画面

Proxmoxの管理画面でCML2のVMのISOイメージを入れ替える設定画面

https://<CML2のIPアドレス>:9090にアクセスし、でcml-controllerにログインします。

cml-controllerのログイン画面

ログイン後に表示される画面から、Copy Refplat ISOをクリックし、ノード用のイメージを登録します

cml-controllerのトップメニュー

これでCML2の導入作業は完了です。

CML2の動作確認

CML2のインストール作業が終わったので動作確認を行います

https://<CML2のIPアドレス>にアクセスし、ログインします。

CML2のログイン画面

ダッシュボードが表示されるので画面右上のADDをクリックしワークベンチを追加します。

CML2ログイン後に表示されるダッシュボード

画面上部のツールバーにあるAdd Nodeをクリックし、数種類のノードが出てくる状態になっていることを確認します

ワークベンチ上でAdd Nodeをクリックした際の画面。ルーターやPC含む様々な機器が登録されていることを確認する

後は自由にノードを配置し、シミュレーションを行うだけです。 シミュレーション環境なので、実際の環境では試しにくいことも気軽に試せます。

ブロードキャストストームのシミュレーションを行うために2つのUnmanaged Switchに2本のケーブルを繋ぎパケットをループさせている様子
ブロードキャストストームのシミュレーション

終わりに

本記事では、ミニPC上にProxmox VEで仮想環境を構築し、その上にCML2の無償版をインストールする方法について紹介しました。 PC1台あれば環境を作れるため、低予算でラボ環境を作ることができ大変満足しています

本記事が、手元にPCが余っている方や、低予算でラボ環境を作りたい方の助けになれば幸いです。

*1:ちょっとお高めなので、CML2 無償版を動かすだけならばIntel N100搭載の2万円前後のミニPCでも問題ないと思います