はじめに
この記事は BBSakura Networks アドベントカレンダー 2024 の 11 日目の記事です。
こんにちは。開発本部 モバイル開発グループの みずき @n0mzk です。
モバイルコアの開発・運用がメインの業務ですが、今年の 8 月から兼務で人事をやっています。人事といっても労務管理などは行わず(もともと担当してくれている方がいるので)、人材開発といわれるような分野を担当しています。今日は、人事をやることにした背景と、最初の取り組みとして行っているオンボーディングについて書きます。
BBSakura で人事を始めた
BBSakura は今年の 8 月で設立から丸 5 年が経ちました。設立時には 20 名程度だった社員数もいまは 100 人を越え*1、当初エンジニア中心だった職種も、企画・営業・経理など、多様化しています。
人数が増えたことで、OCX(Open Connectivity eXchange)のような大きなプロダクトを作れるようになった反面、組織課題も大きくなってきていると感じていました。具体的な課題意識については後に記載しますが、それらの課題について対策を打ちたく、人事業務をやらせてほしいと上司に訴え、兼務でやらせてもらうことになりました。
設立から 5 年経った BBSakura の組織課題
以下のような課題を感じていました。
- テキスト・非同期コミュニケーションメインとする、リモートワーク前提の働き方が崩れつつある
- 越境しづらくなっている
テキスト・非同期コミュニケーションメインとする、リモートワーク前提の働き方が崩れつつある
BBSakura は設立時(コロナ禍前)からフルリモートで働く前提の会社でした。そのためテキスト・非同期コミュニケーションを重視しています。オフィスに全員で集まって議論しながら開発することがなかなかできないため、全員に議論の背景と結論を伝えるにはテキストが残っている必要があるのです。
ですが、東京在住で東京の拠点に出社する頻度の高いメンバーが増えてきたためにオフィスでの口頭コミュニケーションで意思決定がなされ、テキストが残らないことが増えてきました。そうするとその場にいなかったメンバーには断片的な決定事項のみが伝えられ、背景を理解できないまま開発することになります。後から質問しながら・当時の議論を思い出しながら認識を合わせる必要があったり、開発が進んでから手戻りが発生したりして、開発スピードが下がります。
今ではプロダクトの規模も大きくなっていて、その場にいた人だけが手を動かせば作れるというものでもなくなっているのも、この問題が発生する背景です。
越境しづらくなっている
BBSakura の行動指針のひとつに "Beyond the border" というものがあります(参考: 会社紹介 | BBSakuraについて | BBSakura Networks株式会社)。
自分の担当範囲・自部署の責任範囲の業務だけやればよいという意識でいるのではなく、部署を越えて互いに興味を持ち、口も手も出し、自律協調してみんなで良いものを作ろうということだと理解しています。
ですが会社が大きくなり互いの部署のことを知る機会が減っていること、また事業の規模が大きくなってそれぞれ自分の仕事で忙しくなっていることから、越境(Beyond the border)しづらくなっていると感じています。忙しいのは仕方ないにしても、部署を越えて業務内容や人となりを知れる状態を維持することで、互いに興味を持ち越境しやすい組織にしたいのです。
まずはオンボーディングから
これらの課題への対策として、まずは BBSakura に入ってきてくれる方たちに、BBSakura がどんな会社なのか、なにを大事にし、なにを目指しているのかを伝えられるようにしようとしています。
これまで入社者へのオンボーディングは配属先の部署任せになっていました。ですが会社として大事にしていること・やろうとしていることは全員に同じように伝える必要があるので、入社初日に人事として時間をもらって会社としてのオンボーディングを行うようにしました。
組織や事業の紹介ももちろん行いますが、下記のようなことを伝えるのに時間を割いています。
- フルリモート前提の働き方をする会社であること
- そのため、テキスト・非同期コミュニケーションを重視していること
- フロー情報・ストック情報を意識してツールを使い分けていること
- スムーズなコミュニケーション・円滑な業務遂行のために、リモートでも互いの様子や人となりを知ることも大事にしていること
以下はオンボーディングで利用している資料の 1 ページです。Slack を中心とした社内コミュニケーションについて説明しています。
いつも下記の記事を紹介させていただきながら、Working Out Loud を推奨しています。
Working Out Loud を実践するのは、助けてもらいやすい状況を作るためだけでなく、それぞれが自分のことを発信することで互いに興味を持てるようにするためでもあり、またチームを越えてノウハウの共有が行われる可能性を生むものでもあります。
入社オンボーディングはオフラインで顔を合わせて行うのがいいかなという迷いもありつつ、リモートワーク前提の働き方を伝えるために今のところはあえてオンラインで行っています。入社してくれた方の意見を聞きながら、毎月、試行錯誤しています。
今後やりたいこと
オンボーディングに対して「社内のやりとりの雰囲気がわかった」、「溶け込みやすかった」という感想をもらい、やってよかったなあと思っているし、今年入社した鐘ヶ江さんがアドベントカレンダー 8 日目の記事で「オンラインでもオフラインでも、メンバー一人一人が自分らしく参加できる文化が根付いているため、私のような中途組も自然と馴染めている気がします!」と書いてくれているのはとても嬉しい感想でした。
BBSのコミュニケーション文化の魅力 - BBSakura Networks Blog
ですが、まだまだやれていないこと・やりたいこともあります。今後は以下のようなことも取り入れたいと思っています。
社内の人間関係構築支援
配属先以外の部署について各部署から説明してもらうとか、直属以外の上司と 1on1 してもらうというのを最近入社した方には行っています。他部署の業務を理解することに加え、ふだんあまり関わらない人とのコミュニケーションのきっかけにもなるとよいと思っています。なにか困ったときに配属先部署の外に相談できる相手がいる状態であることが、主に中途で入った方にとっては安心材料になると考えているからです。
上司部下の関係にならない上位レイヤーの人や、業務上少し関わりがある人への紹介・1on1 設定など、まだ人間関係を構築するための支援できることはあるので、今後増やしたいと考えています。
入社後の継続的なサポート
いまのところ人事として行っているのは入社初日のオンボーディングのみです。ですが、会社に馴染んで活躍してもらうためには入社後 1 か月・3 か月などのタイミングで様子を聞いたり、困っていることを聞いてサポートしたりという継続的なサポートも必要だと思っています。これも今後取り組みたいことのひとつです。
おわりに
大きくなりつつある組織で新しいメンバーに活躍してもらえる組織を作るための取り組みについて紹介しました。
本業である開発業務と並行してこれらを行う負担の大きさや、組織として立ち上がっていない状態で人事をやるやりづらさはありますが、やりたいことを自分から提案すれば実現させてもらえるところは、設立時から変わらない、BBSakura の良いところです。新しく入ったメンバーにも、やりたいことを持ってそれを主張できる状態まで馴染んでもらえるよう、初期からいるメンバーとしてサポートしたいなと思っています。
*1:親会社と兼務のメンバーも多くいます