eBPF Japan Meetup #2 に参加してきました!

この記事はBBSakura Networksアドベントカレンダー2024の16日目の記事です。

こんにちは! 新卒の松下です。 本日は、eBPF Japan Meetup #2 に参加してきましたので、その様子をブログにまとめてみました!
私は大学時代に Kubernetes を触っていた経験があり、eBPF はそのバックボーン技術の一つとして以前から興味があったため、今回のイベントに参加しました。

イベントの概要

今回のミートアップはオフライン形式で、さくらインターネット株式会社の東京支社で開催されました。
50名ほどの参加者が集まり、前回のミートアップよりも増加していることから、eBPFへの注目度の高まりを実感しました。 多様なバックグラウンドを持つエンジニアの方々が集まり、eBPF の最新情報や実際の活用事例が共有されました。

eBPFとは?

「eBPFって何?」と思う方もいるかもしれませんので、簡単にまとめると以下のような技術です。

  • カーネル上で動作する仮想マシン
  • C言語で記述し、カーネル上のイベントによって動作する

eBPF を使えば、ネットワークやセキュリティ、観測データの処理を効率的に実現できます。

特に印象に残った発表

1. XDPでEtherIPを実装したい話

発表者: Takaharu Umeda

EtherIP のカプセル化がボトルネックになっている問題を、eBPF を使った XDP (eXpress Data Path) で高速化したという発表です。
encap/decap 処理をドライバーレベルで実施し、カーネル内部のプロトコルスタックに入る前に処理することで効率化が可能となります。このように通信全体の遅延を削減し、高速化を実現している点が非常に興味深かったです。 この記事により詳しいことが書いてあります。

特筆すべきは、発表者が大学生で、BBSakura でアルバイトをしている方だったことです!後でお話する機会がありましたが、ご自身で AS を運用したり、積極的に技術イベントに参加したりしている姿勢にとても刺激を受けました。若いながらも生粋のエンジニアだと感じました。

2. Protecting the kernel on AGL; preventing attacks with ebpf filters

発表者: Caleb McGary

車両間通信において、eBPF を活用してシステムコールをフィルタリングし、セキュアな通信を実現するという発表です。
Linux の seccomp (システムコールのフィルタリング機能で、eBPFによって拡張可能)を車両通信に応用することで、以下のメリットがあると説明されていました。

  • ソフトウェア実装よりも、将来的な仕様変更が少ない可能性が高い
  • 従来のソフトウェアベースのフィルタリングと比較して高速に処理可能

車両通信では最新の車両と古い車両が共存するため、通信速度を遅い車両に合わせる必要があります。そのため、長期間にわたって安定した基盤を提供できる Linux のシステムを採用することが重要とのことでした。 このスライドにより詳しいことが書いてあります。 私自身、学生時代に車両通信の研究をしていた経験があるため、この発表には特に興味を引かれました。

感想

今回のミートアップでは、ここで紹介した以外にも様々な発表があり、eBPF が非常に広い分野で活用されていることを実感しました。
私は「eBPF に興味はあるけれど、具体的に何に使えるのかよく分からない」という状態で参加しましたが、「こんな使い方もあるのか!」と感動の連続でした。特に印象的だったのは、多くのエンジニアの方々が「技術が趣味」と言えるほど深く打ち込んでいる姿勢です。自分も今後キャリアを考える中で、そういった”はまれる”ものを見つけられるように、色々なことに挑戦していきたいと思いました。
また、BBSakuraでは実際に eBPF を用いたソフトウェアを開発し、プロダクション環境で運用しています。詳しくは主催の Hayasaka さんが前回発表したスライドをご参照ください。今回のイベントでは弊社がスポンサーとして関与し、従業員 2 名が発表を行いました。弊社ではこうした技術コミュニティへの積極的な貢献を通じて、社内外での技術力の向上や交流を大切にしていきます!
このように、挑戦を支援し、成長を後押ししてくれる環境が整っているからこそ、より多くのことにチャレンジできると感じました。今後もこのような場を活用して、さらに技術力を磨いていきたいと思います!
BBSakuraでは、ソフトウェア開発を一緒に推進する仲間を募集しています。エンジニアとして挑戦や成長をしたい方、ぜひ一緒に働きましょう。