ASを復活させてみた話

アイキャッチ画像は CC2.5で提供されているインターネットの画像です​

こんにちは。BBSakura Networks社長の佐々木です。 この記事はBBSakura Networkのアドベントカレンダー 20日目として投稿致します。 以前、Peeringの世界とインターネットというタイトルでインターネットのバックボーン接続の世界について投稿をさせていただきました。本日は「ASを復活させてみた話」を投稿させていただきます。 ​ ​

ASNとはなんぞや?

インターネットはネットワークのネットワークとして、各独立したネットワークの集合体として成り立ってます。 この各ネットワークを識別するものがASN、AS番号と呼ばれる物になります。AS番号は2byteのものと4byteのものがあり、0〜4294967295まで使えるようです。膨大な数ですね! これらのAS番号同士で世界中につながったネットワークが「インターネット」となっております。 ​

歴史を作ったISP

インターネットが勃興した年といえばなんといっても1995年、Windows95の発売が契機だったと思います。 中学生だった私は、翌年96年にパソコンを手に入れ、モデムを買い、受験生だというのに毎日インターネット接続に勤しんでました。 当時、インプレスさんのインターネットマガジンという雑誌があり、山口県の片田舎から如何に快適に接続するか、プロバイダー接続マップを眺めながら最適なISPを探した物でした。

JustNet、Mesh、InfoSphere、いろんな2次プロバイダを使った後、アーバンインターネットという地元の3次プロバイダに落ち着きましたが、いつも上位に君臨してたAT&T JENSやKDDIに憧れ、いつかISPで働きたいなと思っていたのもこの頃でした。Impressさんの商用ネットワークサービスプロバイダー接続マップ(1996年10月号)(https://i.impressrd.jp/files/images/ispmap/ispmap199610.pdf) を見てみると、当時栄光を極めていた大半のプロバイダーはすでにこの世から無くなり、まさに盛者必衰の理をあらわしております。 ​

OCXとASN移転の準備

弊社では、OCX Open Connectivity eXchange というプラットフォームのシステムを開発しております。 OCXではデータセンターやクラウド、インターネットなど、ありとあらゆるネットワーク間を誰でも簡単に接続出来る基盤を目指してサービスを開発しております。 OCXの事業を企画し、検討を進める中で、せっかくサービスを作るなら、歴史を作ったASN達を復活させたいと思いました。 ​ 歴史的経緯でソフトバンクグループの中にあり、レジェンドなAS番号をリストアップしてみました。

AS運用事業者 AS番号
東京インターネット AS2521
PSINet Japan AS2554
AT&T Jens(SpinNet) AS2915
ITJIT AS4682

日本初の商用インターネット提供事業者であるJensのASNを移転しようと思いました。 AS4682は私の師匠が、自分が立ち上げたASをどうしても手元に戻したいと言うことで、一緒に手続きしました。 ​ 長い時間を掛けて色々な調整を行い、JPNICに移転申請を掛け、無事に10月に移転を完了することが出来ました。

  移転元組織:
    - ソフトバンク株式会社(資源管理者略称:ODN)
​
  移転先組織:
    - BBIX株式会社(資源管理者略称:BBIX-AS)
​
  対象AS番号:
    - 2915
      4682

​ 日本初の商用インターネット事業者AT&T Jensで使われていたAS2915ですが、NTTComさんのAS2914ともお隣さんです。 OCXをVerioの次ぐらいに同じぐらい大きなネットワークにしたいという想いを込めて使っていきたいと思います・・・。