突然ですが、
「なぜ人々は、人間と技術を対比したがるのだろう」
そう考えたことはありませんか?
こんにちは。BBSakura Networks エンジニアのmakiです。この記事はBBSakuraのアドベントカレンダー12/4の記事です。
私はSFな世界観が好きで、いろんなものがネットワークを介して繋がっていたり、人体が機械と融合したりしている作品が好きです。
SF作品では多くの場合、発展しすぎたテクノロジーと人間が相対する構図が描かれます。物語では、時に人間は、自らが開発したテクノロジーによって反逆を受けたり、地球外のテクノロジーによって攻撃を受けたりして存在を脅かされます。
実際、テクノロジーは人間のためにある方がずっとよいと思います。テクノロジーは、電子レンジのように、その仕組みを知らない人でもボタン一つで目的を果たせるような、使うのに簡単なものであってほしいです。しかし、現実のテクノロジーは人を困らせることがたくさんあります。
- 便利だとわかっていても設定が面倒でサービスを使えていない。
- やりたいことはイメージできているのに、ツールの操作ができない。
では、私たちはどのようにすれば、テクノロジーを人間のために活用することができるのでしょうか。
その答えの一つは、テクノロジーがあることを「意識しなくてよい」ようにすることだと思います。 テクノロジーを「使いこなす」のは、人間にとってとても難易度が高いことです。 テクノロジーは複雑で、その仕組みを理解するのは容易ではありません。また、テクノロジーは常に進化し続けており、人間はテクノロジーを使いこなすために、多くの時間を費やす必要があります。 テクノロジーがあることを意識しなくてよい世の中とは、テクノロジーが人間の日常生活に溶け込み、人間がテクノロジーの存在を意識することなく、自然にテクノロジーを活用できる世の中だと思います。
では、具体的にどのようにすれば、テクノロジーがあることを意識しなくてよい世の中を実現することができるのでしょうか。 一つ、テクノロジーを舞台の黒子のように考えてみます。黒子とは、舞台上で役者をサポートする役割を担う役者のことです。黒子は、役者の動きを妨げないように、目立たないように配慮して演技します。テクノロジーも、黒子のように、人間の活動を妨げることなく、人間の意思のシナリオに沿って動作することが理想だと思います。 もう一つの考え方として、テクノロジーを「馴染みのもの」にすることが挙げられます。テクノロジーは、人間の生活に溶け込み、人間にとって馴染み深いものであってほしいです。
例えばこんなテクノロジーはどうでしょう。
- 人間の意思を直接理解して、その意思に沿った行動を自動的に行うテクノロジー
- 人間の思考を補助して、人間の創造性を高めるテクノロジー
- 人間の身体に直接組み込まれたテクノロジー
- 人間の生活環境に溶け込んだテクノロジー
このようなテクノロジーが実現されれば、人間はテクノロジーを意識することなく、自然にテクノロジーを活用することができるようになりそうです。
さて、このようなテクノロジーがある未来を作るには、私たちエンジニアは何をすればいいのでしょう。 一つは、テクノロジーの安全性と信頼性を確保することだと思います。とくにこれから先のテクノロジーは、スタンドアローンというよりむしろ相互接続によって成り立っていくでしょう。ここでいう「相互接続」とは、ネットワークのレベルでの相互接続だけでなく、アプリケーションレベルやサービスレベル、さらにはサービスの上のサービスレベルまで、すべての技術単位での相互接続です。テクノロジーを使って人間に「楽しい体験」をしてもらうために、エンジニアはこれらのレベルどうしのインターフェース(接続ポイント)を構築していくことを繰り返します。テクノロジーの安全性と信頼性は、技術単位自体の安全性と信頼性のみならず、インターフェースの安全性と信頼性も大切になってきます。
もう一つは、すべての仕事にクリエイティビティを忘れずに楽しく取り組むことだと思います。「こうありたい」と思った未来に少しでも近づくため、自分にできることはないでしょうか。その未来は、世界の未来でも、自分の未来でもいいと思います。テクノロジーは少しづつに見えても、確実に進歩しています。テクノロジーが人間のために活用されている未来をみんなで実現しようとしているときに、少しでも幸せな人が多くいてほしいです。幸せであるために、楽しく、爪痕を残しながら仕事をするのもエンジニアにとっての重要な選択肢の一つになりえます。
今回タイトルにした「テクノロジーを意識しなくてよい世の中へ。」は、私の仕事の軸でもあります。その背景には、IT格差の現状を見たり、未来を不安に思う人々の声を聞いたりしたことがあります。エンジニアはテクノロジーが好きな人たちの集団です。もしこのビジョンを読んでくれた人の中で興味を持った人がいたら、一緒に働けたら嬉しいです。
エンジニアのみなさんと楽しく、一緒に未来を作っていけたらなと思います。
maki