はじめに
こんにちは、BBSakura Networks 株式会社(以降 BBSakura) で OCX 開発グループに所属している松本です。
「30 代で未経験から開発エンジニアになるなんて無理だよね...」
そんな風に思っている方はいませんか?実は私も、つい最近まで同じことを考えていました。
4 月に BBSakura へ入社し、念願だった開発エンジニアとしてバックエンド開発を担当しています。振り返ると、営業→SIer→通信キャリアの運用エンジニアという、一見開発とは無縁のキャリアを歩んできました。
しかし今考えるのは、一見バラバラに見える経験こそが、キャリアチェンジの最大の武器になるということです。
この記事では、ネットワーク運用から開発へのキャリアチェンジという、あまりネット上で見かけない体験談をお話しします。同じような悩みを抱える方、特に運用系から開発への転身を考えている方の参考になれば幸いです。
予想外から始まったキャリアパス
営業時代:技術への憧れが生まれた瞬間
新卒では技術職志望で入社したものの、配属されたのは営業部門でした。正直、最初は「こんなはずじゃなかった」という気持ちでした。
しかし、ネットワーク製品の営業兼プリセールスとして働く中で、運命的な出会いがありました。それが SDN(Software-Defined Networking)という技術です。
「ネットワークをソフトウェアで制御する」
この概念に触れた時の衝撃は今でも忘れられません。営業の私でも簡単にネットワーク構築ができる様子を見て、「技術ってこんなに面白いものなのか」と感動したのです。
この時の経験が、後の「SDN 関連の技術に携わりたい」という想いの原点となりました。
SE時代:理想と現実のギャップ
ネットワーク製品の営業経験を活かして SIer に転職。念願のネットワーク SE になれて技術で仕事ができると思ったのもつかの間、実際の業務はプロジェクトマネジメントが中心でした。
通信キャリアのネットワーク関連プロジェクトに携わりながらも、「もっと技術的なことがしたい」というもどかしさが日に日に強くなっていました。
運用エンジニア時代:現場のリアルに触れる
SIer での通信キャリアプロジェクト経験を活かして、「もっと技術力を上げたい」という理由でソフトバンクに運用エンジニア(テクニカルサポートエンジニア)として転職しました。
通信キャリアネットワークのテクニカルサポートを担当し、お客さま不具合に対するネットワーク調査を行ない、現場のリアルな声に向き合う貴重な経験を積みました。
転機:30代で見つけた「技術の楽しさ」
開発との出会い
転機は、運用業務の効率化へ取り組んだ時に訪れました。
毎日同じような作業の繰り返しに疑問を感じ、「これ、開発で自動化できるんじゃないか?」と思い立ったのです。最初は簡単なスクリプトから始めましたが、自分のコードが動いて業務が効率化され、生産性が向上されることに達成感を得ました。 30 代になって、新たに挑戦したいことが見つかりました。
不安との向き合い方
ただし、30 代での開発エンジニアへの転身には大きな不安もありました。
- 年齢の壁:「30 代未経験では厳しいのでは?」
- スキルの差:「新卒から開発をやっている人には追いつけない」
- 経済的な不安:「転職したら年収が大幅に下がりそう」
これらの不安を乗り越えるために、まずは「今いる場所で力をつける」戦略を選択しました。
開発エンジニアになるための具体的な取り組み
1. 現職での開発経験を積む
業務の自動化を積極的に提案・実装
社内副業制度を活用し、開発部門で実際のサービス開発の経験を積む
2. 体系的な学習
- 技術書の読書とオンライン講座
- 個人プロジェクトと社外コミュニティ参加
3. ネットワーク×開発の専門性を構築
既存のネットワーク知識と新しい開発スキルを組み合わせることで、「ネットワーク開発エンジニア」という独自のポジションを目指しました。
BBSakuraでの新たな挑戦
理想的な環境との出会い
取り組みの結果、縁もあり、ソフトバンクから BBIX、そして BBSakura への出向という形で、念願の開発部門に異動できました。
一貫して関わってきた「ネットワーク」の経験を活かしながら開発ができる、まさに理想的なキャリアチェンジとなりました。
そして現在、SDN に該当する OCX の開発に携わることで、新卒時に抱いた「SDN 関連の技術に携わりたい」という想いを実現できています。
入社1か月での成果
BBSakura の「世界を変える Geeks' Playground」というシェアードバリューのもと、スキルアップをサポートしてくれる環境で、入社1か月で次の成果を上げることができました。
- Cisco Devnet認定資格取得:ネットワークと開発両方のスキルを証明
- 作業効率化マクロの作成:運用経験を活かした作業の自動化
- 開発環境の改善:効率化を目的に、ホットリロード機能の追加により、ビルド時間を数分→数秒に短縮
これらは、今までの「一見バラバラな経験」があったからこそ実現できた成果でした。
技術と事業の両輪で考える
BBSakura で特に印象的だったのは、「事業開発集団の一員として技術『だけ』や事業『だけ』を考えない」という価値観です。
私の場合:
- 営業時代:顧客価値への感覚
- SE時代:実現性の判断
- 運用エンジニア時代:持続性の視点
これらの多様な経験が、技術と事業の両面から考える基盤になっています。
OCX というサービスは、私のようなバックグラウンドを持つ者にとって理想的な挑戦の場です。
キャリアチェンジを成功させる3つの方法
私の経験から導き出した、キャリアチェンジを成功させるための方法をお伝えします。
1. 一貫性を見つける
一見バラバラに見える経験でも、共通するテーマを見つけることが重要です。
私の場合、営業・SE・運用という異なる職種でしたが、すべて「ネットワーク」というテーマで一貫していました。
2. 経験を掛け算する
単体では弱い経験でも、組み合わせることで独自の価値を生み出せます。
私の掛け算:
専門知識(ネットワーク) × 営業でのビジネス視点 × SEとしての顧客視点 × 開発スキル = 独自の価値
3. 学び続ける姿勢
年齢に関係なく、新しい技術への好奇心と学習意欲が道を開きます。
最後に
もし「未経験だから」「年齢が」「今さら」という理由でチャレンジを諦めかけている方がいれば、ぜひ再検討をお勧めします。
この記事が、キャリアの気づきに、少しでもお役に立てれば幸いです。
また、BBSakura では現在メンバーを募集しています。私のように、ネットワークと開発の両方に興味がある方、技術と事業の両面から価値創造に挑戦したい方にはぴったりの環境です。
現在はさくらインターネットからの出向のみ募集しています。ご興味のある方は下記リンク先の「さくらインターネットを通した中途採用」ページからご応募ください!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。